運転を哲学する男 小林眞のコラム 5 安全運転とは?

安全運転とは何ですか?

「はい、交通違反をしないことです」、そんな答えが返ってきますが、実は「交通違反を見つかって検挙されないこと」、これがほとんどのドライバーの本心です。

ドライバーのシートベルト着用率、一般道でも昨年は99.2%でした。しかし、後部座席となるとわずか43.7%です。その理由の多くは、「後部座席は検挙されないから」のようです。

速度も、40km/hの道路では、ほとんどの車が50~55km/hの速度で走行しています。これは、事故を防ぐ安全速度なのではなく、「検挙されない速度」だからです。

規制速度を厳格に守ること以上に、その道路環境における安全な速度を考えて走行しなければ、事故を避けることはできません。

 

もうひとつ、「安全運転とは、交通事故を起こさないことです」という答えもあります。もちろん、これが私たちの目標でもあるのですが、これも中身に疑問が残ります。

「被害事故は仕方ない」「運が悪い」「相手も悪い」、そんな言い訳を耳にするからです。

被害事故かどうかではなく、避けることができたのかどうかを考えてください。自分が優先だからと過信するのではなく、危険に気付いた自分が止まることで回避できる事故は少なくありません。

「運が悪い」、これは歩行者をはねたドライバーがしばしば口にする言い訳です。夜間はハイビームにして、速度を抑制し、前方をしっかり確認していれば、ほとんどの事故を防ぐことができます。できることをしなかったのですから、悪かったのは「運」なのではなく、悪かったのはドライバー自身です。

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