運転を哲学する男 小林眞のコラム 17 愛知県が死亡事故ワースト返上を目指す理由2

愛知が交通死亡事故ワーストの県だから、誰も愛知の施策・対策を参考にしようとしないのです。(前号から続く)

ならば、この愛知県の死亡事故がワーストを返上し、3位、5位と大幅に減少傾向を示したのであれば、他府県からも聞きに来るでしょう。そして、愛知県がこれまでに培ってきたすべての施策・対策を提供することを通じて、全国の死亡事故を減らすことができるなずなのです。

つまり、愛知県がワースト返上を目指す理由、それは、全国の交通死亡事故を減らす、そのリーダーとしての役割を果たすために必要だからです。ワーストを返上してこそ、愛知県は、交通事故防止活動における全国のリーダーとしての役割を果たすことができるからです。

車の県、私たちの愛知県は、全国の交通事故防止活動のリーダーとしての役割を担っています。そして、その責任を果たすためには、まず、ワーストを自ら返上する必要があるからです!」

 

会議後、一人の出席者が近づき、笑顔で話しかけてきました。 「いい話、ありがとう。愛知がワーストを返上し、愛知の施策対策が全国でも展開されて日本中の死亡事故が減少する、いいな、いいことだよね。

しかし、ひとつ疑問、質問がある。そうなると、他府県の死亡事故が減ることによって、愛知はまたワーストになるが、それはいいのか?」

破顔一笑。私は答えました。

「最高の質問だね。ありがとう、心から感謝する。

そう、愛知の施策が展開され、全国の死亡事故が減少することによって、再び愛知県はワーストの県になる。確かにそうだ。

でも、それこそが私の夢。愛知が再びワーストになる時、私たちの後輩たちが、私たち以上に努力して、頑張って、新たな施策・対策を積み重ね、ワースト返上を目指し、実現してくれるはず。交通死亡事故ゼロを実現し、日本中の交通事故を減らすリーダーとして、ね。

そんな時代には、死亡事故なんてほとんどゼロになっているに違いない。あぁ、そんな時代を見てみたい。

ま、それまで、お互いに長生きしましょう」

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