運転を哲学する男 小林眞のコラム 4 自動車とは何?

自動車とは、安全・快適・便利なものです。自動車は、安全設計され、これに基づいて、部品は精密に製作され、組み立てられて完成します。つまり、自動車はぶつからないのです。

にもかかわらず、自動車はしばしば人を傷付け、時にその命を奪う。それは何故なのか? そこに不足しているのは自動車の部品ではありません。不足しているのは、私たちドライバーの安全意識です。安全であるはずの車が事故を起こすのは、私たちドライバーの安全意識が不足しているからです。

交通事故とは、安全意識の乏しいドライバーがぶつかる運転をした、その結果にすぎません。

 

交通事故の原因については、前方不注意とか、安全不確認、あるいは運転操作の不適などが指摘されてきましたが、それは原因ではなく、ひとつの結果だと考えることもできます。

つまり、出合頭の事故が発生して、左右の安全が十分に確認されなかった背景として、運転に関する考え方、安全意識の低さを指摘しなければなりません。

安全意識の低いドライバーに対して、もっと左右の安全を確認しなさいと指導しても、本人は十分な安全確認をしたつもりですから、事故の原因について、運が悪かったと決めつけてしまうのです。

自分は大丈夫だと思い込んでいるその安全意識とは、独りよがりな自己過信に過ぎません。それに基づいた運転行動とは、実は本当の安全運転からほど遠い、不十分なものなのです。

では、どうすれば良いのか、どうすれば安全運転を習慣とすることができるのかについて、これから考えていきます。

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